不動産鑑定

同族間売買

第三者間での不動産売買では、

少しでも高く売りたい売主と、少しでも安く買いたい買主の間に市場原理が働き、両者の間で合意された価格は合理的なものであるという推定が成り立ちます。

従って、特殊な事情(瑕疵や詐欺等)がなければ、売買価格について法務及び税務上問題になることは基本的にありません。

同族間売買

これに対して、売主・買主双方の意思決定者が実質的に同一である「同族間売買」では市場原理が機能せず、任意の価格で売買することができてしまいます。

市場価格(時価)と乖離した価格で売買することもできますが、思わぬ課税が発生するリスクがあります。

同族間売買の例示

  • 親名義の土地を、子どもに売る(子どもが買う)場合
  • 社長名義の土地を、会社に売る(会社が買う)場合
  • 会社名義の土地を、社長に売る(社長が買う)場合

同族間売買において、最も重要なことは
相続税法の「低額譲渡によるみなし贈与」に該当するかどうかです。

相続税法第7条 「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、
当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、
当該対価と当該譲渡があつた時における
当該財産の時価との差額に相当する金額を
当該財産を譲渡した者から贈与により取得したものとみなす。」

時価よりも低廉な価格で譲渡した場合の課税(例)

売主側 買主側
個人

個人
親族間での不動産売買 一定の場合、「時価で売却したものとして」譲渡所得税が課税される可能性 売買金額と時価との差額について贈与があったものとして贈与税が課税
法人

個人
オーナー企業が、社長個人に対して保有不動産を売却 「時価で売却したものとして」売却益を認識。売買金額と時価との差額は役員報酬と見做され損金不算入 売買金額と時価との差額を給与所得と認定
個人

法人
企業が社長個人保有の資産を購入 一定の場合、「時価で売却したものとして」譲渡所得税が課税される可能性 売買金額と時価との差額を受贈益として認定
法人

法人
親会社が子会社から資産を購入 「時価で売却したものとして」売却益を認識。売買金額と時価との差額は寄付金と認定し、一部が損金不算入となる可能性 売買金額と時価との差額を受贈益として認定

市場価格(時価)の算定方法

同族間売買における時価の算定方法を例示すると、以下のとおりです。

①公示地価や基準地価に基づいて求める方法

近隣の公示地価を基に、対象不動産の存する地域との格差を考慮し、
対象不動産の個別性「形状・方位・道路との接面状況・高低差等」を別途考慮し、 価格補正して求めます。

②相続税路線価・固定資産税路線価を用いる方法

前面道路の路線価を利用します。
この場合、路線価は通常、市場価格(時価)より低く設定されています。
また、対象不動産の個別性「形状・方位・道路との接面状況・高低差等」を別途考慮する必要があります。

③不動産鑑定評価

国家資格を有する不動産鑑定士による鑑定評価です。
不動産の鑑定評価に関する法律により裏付けされています。

①や②は簡便法であるため、必ずしも不動産の個別性や実勢市況を反映していない場合があり、後に税務当局との間で見解相違の原因にもなり得ます。

同族間売買を行う場合には、後のトラブルを避けるためにも、
不動産鑑定士による不動産鑑定評価をおすすめします。

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