不動産鑑定

相続税算定

財産評価基本通達と不動産鑑定

相続税算定における不動産評価は「時価」で行うこととされています(相続税法22条)
そして、「財産評価基本通達」(評価通達)による土地評価が行われるのが一般的です。
財産評価基本通達による土地評価は、必ずしも時価ではありませんが、相続税算定時においては、「時価」とみなされます

財産評価基本通達による土地評価は、相続税路線価を基準に、形状や高低差などの土地特性による所定の補正を行うことで、画一的に土地を評価する方法です。
判断要素をできるだけ排除しているため、一定の知識と経験を有する者が算定した場合、概ね同様の結果を導くことができます。
しかし、評価通達による評価方法はあくまで簡便なものであり、個別の不動産を分析・評価することなく画一的な評価方法を採用するため、客観的な時価と一致しないこともあります。

従って、評価通達6項では「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」と定められており、評価通達によらない評価を行うことがあることが明記されています。
また、判例法理としても、「評価通達による評価方法によらないことが正当と是認される特別の事情がある場合には、別の合理的な評価方法によることが許される」という考え方は確立しています。

つまり、評価通達を形式的に適用すると過大な評価となってしまう資産を、不動産鑑定を活用して適正な評価額に修正する(下げる)ことは、必ずしも税務当局の意に反するものではなく、あるべき姿であるといえます。

★特に、以下のような不動産が相続財産に含まれる場合には、不動産鑑定評価をご検討ください。

評価通達では評価額が過大となってしまう可能性のある土地の特徴

接道関係

  • 無道路地
  • 前面道路が建築基準法第42条の道路に該当しない土地
  • 接道間口が2m未満の土地
  • 道路面と高低差がある土地
  • 前面道路が階段状になっている土地

宅地は建物を建築して、はじめて有効利用が可能となります。
建築物を建てるためには建築基準法上の道路に2m以上接していることが必要です(接道義務)。
無道路地はそのままでは建物を建築することはできません。
路線価が敷設されている道路に接道していても、「建築基準法上の道路」に該当しない場合があります。
高低差があり、実質的には接道していない土地もあります。
このような土地は、財産評価基本通達による土地評価と時価が乖離している場合があります。

画地条件関係

  • 極端に不整形な土地
  • 奥行が異常に長い土地
  • 帯状地
  • 面積が小さすぎる土地
  • 敷地内に著しい傾斜・高低差が有る土地

宅地は建物を建築して、はじめて有効利用が可能となります。
建物の建築に大きな制限が発生する土地は、財産評価基本通達による土地評価と時価が乖離している場合があります。

権利形態による制限、収益性が劣ることによる不良資産

  • 賃料が著しく低い「底地」
  • 築年が古く、空き家に近いRC造の賃貸マンション

底地は地主所有の筆頭不良財産です。 また古い貸家、古アパートも含めて「三大不良資産」と呼ばれることもあります。 これらは、どれも換金性・流動性に大きな問題があるため、財産評価基本通達による土地評価と時価が乖離している場合があります。

宅地以外の土地

  • 市街化調整区域内の雑種地
  • 市街地の山林

市街化調整区域内の雑種地は、建物の建築ができないため、有効利用が難しく、市場性が劣ります。
市街地の山林も、人口減少時代の昨今においては、多額の造成費が発生する場合等は、宅地開発造成の参加者がおらず、市場性が極めて劣ります。
これらは財産評価基本通達による土地評価と時価と乖離している場合があります。

土壌汚染・埋設物関係

  • 土壌汚染・埋蔵文化財・地下埋設物がある土地

土壌汚染や地下埋設物がある土地は、安全に建物の敷地として利用するためには、多大な処理費用が発生する可能性があります。
埋蔵文化財についても、建物を建築するためには原因者負担として多大な費用が発生する場合があります。

このような土地は、財産評価基本通達による土地評価と時価が乖離している場合があります。

地積規模の大きな宅地

  • 間口が狭く、合理的な戸建住宅の開発分譲が困難な土地
  • 高低差や傾斜があり、多額の造成費が必要な土地
  • 奥行が長く、道路つぶれ地が生じるものの、僅かに500㎡に満たない土地
  • 中小工場地区にある500㎡以上の土地(戸建開発分譲が最有効使用の場合)
  • 旧広大地制度に該当する場合

別途地積規模の大きな宅地ページをご参照ください

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